クラウド戦国時代に何を思うか①
今やクラウドを全く使っていない企業を探す方が難しいほど、日本でもクラウドコンピューティングは浸透してきていると感じます。
IT部門の人じゃなければ意識する人は少ないかもしれませんが、ファイルの置き場やメールサーバー、顧客管理システム、場合によっては自社プロダクトがクラウド上で運用されているというケースもあるかもしれません。
クラウドのメリットを一言で言うと、「好きな時に好きなだけ使える」ことです。
いわゆる固定資産を持たないサブスクリプション型で"毎月使った分だけお金を支払う"モデルですね。
ではなぜクラウドを使う企業がここまで急速に増えてきているのでしょうか。
クラウドはスタートアップと相性抜群
クラウドのメリットを最も享受しているのは、おそらくスタートアップ企業でしょう。
スタートアップはプロダクトやビジョンの可能性を評価されてベンチャーキャピタルから資金調達を受けるまでは、自力で開発・マーケティング・営業まで行わなければいけません。
それまでは極めて限られた資金の中でやり繰りしていく必要があるのですが、従来のITリソースの調達方法だと「サーバーを購入してネットワークを引いてソフトウェアのライセンスを購入して・・・」と、とにかくお金と手間が掛かった訳です。
そこで、登場したのがクラウドです。
クラウドは初期コストが不要で、使用した分だけ支払えばいいので、大きな支出は避けたいスタートアップとしては、とてもありがたい存在なのです。
また、クラウドはPCから数クリックでサーバーやデータベースを利用できたり、最近は分析サービスなども充実してきています。会社を立ち上げ直後は従業員も少なくリソースも限られているスタートアップにとっては手軽に利用できるクラウドはこの上なく便利なのです。
さらにメリットをあげると、あるプロダクトを失敗してもクラウドならすぐに止めることができるので、すぐに次のビジネスに移ることができます。
クラウドは多くのトライアンドエラーを可能にし、スタートアップのチャレンジを後押ししてきました。
その結果、数々のイノベーションが生まれてきたのです。
ほとんどのスタートアップはクラウドと共に成長してきた、と言っても過言ではないのです。
そして競争力を高めたい大企業も次々にクラウドを利用して新たなイノベーションを創り出そうとしています。
どのクラウドを使うか問題
巷では多くのクラウドサービスが提供されています。
特定の分野に特化したクラウドサービスもありますが、様々なサービスを提供しているクラウドとしてよくあげられるのが、
- Amazon Web Services(AWS)
- Microsoft Azure
- Google Cloud Platform
です。
どれも世界を代表するIT企業が運営しています。国内だと3大クラウドなどと言われたりしていますね。
ではどのクラウドを使うべきなのでしょうか?
それぞれの特徴については次回ご紹介したいと思います。